粉瘤
粉瘤とは
粉瘤は皮膚にできる良性の腫瘍で、皮膚の表面や毛包が皮膚の中に入り込み袋状の構造物の中に皮膚のゴミが溜まることで出来ます。通常は痛みや炎症を引き起こしませんが、感染症を起こすと赤く腫れて痛みを伴います。原因は不明なことが多いですが、傷やHPV-57,60の感染などが関与している可能性があると言われています。
当院で行う粉瘤治療
感染をおこして炎症がある時には抗生物質の内服や局所的な抗生剤外用薬の塗布をします。感染し中に膿が溜まってしまった場合には切開排膿をすることもあります。
感染がなく、粉瘤の根本的な治療を希望される場合は、手術による摘出術をします。手術には、袋状の構造物をそのまま摘出する方法と、内容物を出してから袋を取り出すくり抜き法があります。くり抜き法は傷跡を小さくすることができますが、粉瘤の再発がやや多くなります。当院でも大きさや状態に合わせて方法を選択して手術させていただきます。
手術に対応
診察を行い、手術が可能な状態であれば、日帰り手術によって粉瘤を摘出することが可能です。
ただし、感染性粉瘤の場合は炎症がひどいうちは手術出来ませんので、いったん表面を切開して膿などの内容物を除去し、抗炎症薬などを投与して炎症が治まってからの手術となります。
手術をご希望の方はご予約をしてからご来院お願いいたします。
痛みを抑え丁寧な処置
粉瘤の摘出手術は局所麻酔を使用して痛みを感じないようにしてから行います。
また、痛みが苦手という方には、ご希望によって麻酔を注射する部分に貼るタイプの麻酔薬を使用することも出来ますので、ご希望の場合は、あらかじめお知らせください。
くり抜き法手術の流れ
1手術開始前に局所麻酔を
注射
粉瘤の外周に沿って皮膚表面にマーキングを行い、局所麻酔を注入します。
2皮膚に穴を開けます
皮膚にディスポーザブルパンチ(トレパン)という医療器具で、直径4mm程度の穴を開けます。
3内容物を取り出します
粉瘤の周りを指で圧迫し、内容物を揉み出すと同時に粉瘤本体である嚢腫も綺麗に掻き出し、取り残しが無いか内部を確認します。
4処置完了
通常、傷痕は縫合しません。しかし必要のある場合は縫合を行って完了です。
手術日とその後の流れ
1診察
診察を行い、他の皮膚腫瘍の可能性が無いかなどを判断します。
手術が可能な場合は手術の説明を行います。
2手術開始
局所麻酔によって手術を行います。
3ご帰宅
手術部位にガーゼを貼ってご帰宅となります。術創が化膿しないよう、抗菌薬と鎮痛薬を処方しますので、指示通りに使用してください。
手術当日は、入浴(温泉)、飲酒、運動(プールや海水浴も含む)などを控えて安静にしてお過ごしください。
4翌日は手術創の確認のためご来院いただきます
手術の翌日は手術創の状態など経過確認をするため再診にご来院ください。
特に問題が無いようでしたら、軟膏を処方しますので、指示通りにご自宅で処置していただければ、その後しばらくは通院不要です。
この日からシャワー浴をしていただいて問題ありません。
5経過観察・抜糸
手術の1週間から2週間後に手術創の状態を確認しますので、ご来院ください。その際、縫合してある場合は抜糸となります。
粉瘤はほとんどのケースが良性腫瘍ですが、念のため摘出した組織で病理検査を行います。1~2週間後の再診の際に結果をお知らせします。
料金
非露出部の粉瘤の手術
3割負担の場合 | 1割負担の場合 | |
---|---|---|
3㎝未満の場合 | 4,000円程度 | 1,400円程度 |
3㎝~6㎝ 未満の場合 |
10,000円程度 | 3,400円程度 |
6㎝以上の場合 | 13,000円程度 | 4,300円程度 |
露出部の粉瘤の手術
3割負担の場合 | 1割負担の場合 | |
---|---|---|
3㎝未満の場合 | 5,500円程度 | 1,660円程度 |
3㎝~6㎝ 未満の場合 |
11,000円程度 | 3,800円程度 |
6㎝以上の場合 | 14,000円程度 | 4,500円程度 |
※診察料、処方箋料、病理検査費用は別途かかります。
(病理検査費用は3割負担の場合3,000円程度、1割負担で1,000円程度です)
皮膚腫瘍(粉瘤以外)
ホクロ
褐色~黒色のできもので大部分は後天的にできてきます。一部は皮膚のがんと似ているため、急に大きくなるものは皮膚科専門医の診察を受けることがおすすめです。
整容的に気になる場合は外科的切除やレーザーなどで治療をします。当院でも手術、炭酸ガスレーザーによる治療をしています。
脂漏性角化症
茶色~黒褐色で表面がややガサガサとして盛り上がりのあるできものです。顔や体にできて、いわゆる老人性イボと呼ばれるもので、加齢とともに増えていきます。
自覚症状はなく良性のできものですが、整容的にきになる場合は液体窒素、炭酸ガスレーザー、手術による除去などをします。
汗管腫
皮膚の色と変わりがない小さく平坦なできもので、眼の下などにまとめて沢山できることがあります。良性で自覚症状もありませんが希望時には炭酸ガスレーザーなどで治療します。
稗粒腫
顔にできることが多い、白い内容物の溜まった1~2mmほどのできものです。
皮膚のすぐ下に皮膚のゴミが溜まることでできます。針や炭酸ガスレーザーで皮膚に穴を空けて内容物を出して治療します。
脂腺増殖症
顔にできるできもので、黄色~やや赤色で2~3mmの盛り上がりで中央に凹みがあるのが特徴です。良性ですが希望時には炭酸ガスレーザーなどで治療をします。
尋常性疣贅
手足の皮膚に比較的多くできるできものでHPV(ヒト乳頭腫ウイルス)の感染で生じます。数mmのものから、大きいと数cmの大きさになることもあります。液体窒素での治療が基本になりますが、必要に応じて炭酸ガスレーザーや手術をすることもあります。
軟性線維腫
(スキンタッグ)
首や脇、鼠径部などにできることが多く、首や脇では2~3mmで糸状に飛び出るできものです。体幹にできる場合は少し大きめのこともあります。
液体窒素や切除(手術)で治療をします。
老人性血管腫
赤いホクロのようなできもので、加齢とともに増えます。治療法には、切除術やレーザー治療があります。